このコーナーでは、株式会社インロック 代表取締役 加藤有子のてんてこ舞いな日常をお届けします
最近クイーンの原稿を読んだり書いたりすることが重なって、昔、はるか昔、クイーンのファンだった頃のことをよく思い出します。
私は、実はジョン・ディーコン(b.)の熱烈なファンで、彼にベロニカ(・テツラフ)という奥様がいることを知った時は、そりゃあショックで…。
2回目の来日からクイーンのライヴには参戦していて、今から思うと自分のライヴ経験は、そのクイーンのライヴから始まったんですね。もう今はない愛知県体育館の一角で、狂おしいくらい感動していました。
なぜジョンが良かったのか?自分でも理由はよく分かりません。たぶん初めて見た写真が、「クイーンII」(’74)の頃のアー写で、長い髪と彫りの深い顔立ちが、高貴に見えてひと目惚れしちまったんじゃないか?と思います。
ジョンは、本当に知性的で性格のいい、そしてイギリス人らしいイギリス人で、妙に頑ななところもありました。

そんな時代を通り越し、10年くらい後、相棒のハンナとジョンのインタビューをしたんですが、不思議と落ち着いていました。
当時ロンドンに住んでいると、アーティストを見たり会ったりする機会はあきれるほど多く、感覚が麻痺していたのかもしれません。例えば、ピカデリーサーカスで信号待ちをしていたら、渋滞にハマった車の中にロジャー・ダルトリー(ザ・フー)がいて、目を丸くしてる私ににっこり笑って手を振ってくれたり。
キングズ・ロードを歩いていたら、ばったりキース・リチャーズ(ザ・ローリング・ストーンズ)に会ってしまって、写真を撮らせてもらったり。1枚だけ、と言って頼んだのに、3枚撮ったら、1枚って言ったじゃないか!と文句を言われたり(笑)。
銀行のATMでお金を下ろそうとしたら、隣のブースにデフ・レパードのフィル(・コリン)がいたなんてこともありました。そういう経験、数限りなくありますね。
だから、あれだけ好きだったジョンに会っても、ごく冷静に話せたし、話を楽しむ余裕もあったくらいです。
数日後、空港で偶然再会したジョンは、にっこり笑顔で、ハロー❤️と手を振ってくれました。
イン・ロック2026年11月号、クイーン大特集の製作裏話
今はネットで調べれば、情報は溢れるように出てくるので、クイーンの原稿を書く時、1週間くらいクイーンのこと、周辺の人のことを徹底的に調べました。
フレディ(・マーキュリー、vo.)の亡くなる直前の話や、ゾロアスター教で行われたお葬式、莫大な遺産の行方とか知らなかったことが沢山あって、改めて悲しい気分になりました。
フレディと恋人関係が終わっても、彼に寄り添い続けたメアリー・オースティンさんには、深い感謝を感じます。孤独と絶望に苛まれたフレディの最後の日々、それを少しはマシなものにしてくれたのが彼女の存在だったと思います。
最近、彼女の息子さんの談話を読んだのですが、メアリー、フレディの遺産を相続したか?とかその内容について、息子さんたちにも一切話してなかったそうで、彼らも噂の範囲でしか知らなかったそうです。
メアリー、結構出掛ける写真とかも見ましたが、決してブランドを身に纏っているわけではなく、聞かなければ分からないくらい普通の女性になってました。そんなお金持ちには、絶対見えないです!
また、遺産は全部彼女が相続したような報道もありましたが、彼女が手にしたのは半分で、残りはフレディの年老いた両親と妹、恋人のジム・ハットンらの手に渡ったようです。そうでなきゃね。
だからかな、今回メアリーがフレディの残したものをオークションにかけた時、妹さんが思い入れのあるものを落札したそうです。総額3000万ポンド(訳5億円)くらいになったとか…あくまでネット情報ですが。普通の生活を送っている女性が、そんな大金を払えるわけないものね。オークションで莫大なお金を受け取ったメアリー、フレディやエルトン・ジョンが主宰するチャリティ団体にも、寄付したそうです。
フレディが最後の時間を送った邸宅も、自分には広すぎるからと、何年も前から売りに出しているそうですが、値段が高くて売れてないらしいです。本当は手放したくなくて、思いっきり高い値段をつけたんでしょうかね?
で、ジョンの話に戻りますが、数字に強い彼は、クイーンの中でもバンドの経理部分を一手に引き受けていました。フレディの死後、彼もライヴから身を引いたんですが、本当に最近までクイーンの財務・ビジネス面に関わっていたそうです。彼が手にした財産は数百億に上ると思うんですが、若い頃買った戸建てに住み続け、ごく地味な生活を送っているんだそうです。どんなに成功しても、羽目を外さないところがジョンらしい、イギリス人らしいと、思ったりします。

そんなことを書いていたら、2年前行ったロンドンのことを思い出してしまいました。
9月だったから、夜の9時くらいまで外は明るく、暑くも寒くもない気候が気持ち良くて、また行きたいです。航空運賃も凄い高いけど、それより休みが、取れないのが問題かな、私の場合。(加藤有子)





